永遠の恋人

永遠の恋人 25話(最終話)

とうとう最終話です。
最後はやっぱり、鷹男&瑠璃ですよねww
ちょっぴりRな表現が出てきたりしますので、苦手な方はスルーして下さいね。
皆様の満足のいく最後になっていると良いのですが・・・・・

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   永遠の恋人 25話(最終話) ~永遠の恋人・瑠璃&鷹男 ~
正良さんと愛華が出て行ってしまうと、なんとなく気まずい空気が漂った。
それを払拭するかのように、あたしは笑顔で鷹男に話しかけ続けた。

下準備をしてもらっていた食材を使って、それなりのご馳走を作って二人で食べた。
ちょっと高価なワインも二人で飲んだ。

鷹男は、

「こんな日にわざわざ瑠璃が作らなくても、どこかに食べに行けば良かったのに・・・」

って言ってくれたけど、今日はどうしてもあたしがこの手で鷹男に料理を作りたかった。
鷹男はあたしに何か聞きたいみたいだったけど、あたしが語るのをじっと待っているようだった。
いつも通りに他愛のない会話が続く。
なんとなく・・・ぎこちない。

「そろそろ寝るか?」

って鷹男の言葉に頷いて、先にシャワーを浴びて寝室のベッドでじっと鷹男を待っていた。

あたしがしようとしていることは間違っているのだろうか?
正良さんは今更そんなことしない方がいいって言っていた。

男と女ではモノの考え方が違うからって。

だけど・・・・
時々あたしを抱く鷹男の目の中に、辛そうな色を見つけてしまったから・・・・

「瑠璃、お待たせ。」

そう言いながらまだ少し髪が濡れた鷹男が寝室に入ってきた。
ベッドで横になっているあたしの横に腰を下ろした。
ギシリとベッドが軋む。
あたしが無言で部屋の照明を落とすと、鷹男があたしの上に圧し掛かってきた。

一度唇が深く重なり・・・・離れる。

再び重なろうとする唇を手で遮った。

「る・・り・・?」

「鷹男、ちょっと話を聞いて?」

あたしの頭の横に両手を付いたまま、じっとあたしを見下ろす鷹男。

「三年前・・・もうすぐ四年になるのかな?あの時の話を・・・したいの。」

鷹男が明らかに動揺するのがわかった。

「そんなこと今更っ・・・・もういいだろう。今こんなに幸せなんだから。」

「うん。幸せだよ。幸せ過ぎて申し訳ないくらい。
 だけど、あたし知ってるの。時々鷹男があたしを抱きながらすっごく辛そうな顔をしているの。」

「そんなこと!!」

「あるよ!!――――――あるでしょ?
 今でもあの時の・・・あたしと正良さんのことを思い出して辛くなるんでしょ?」

鷹男が苛立ったように身を起こすから、あたしも一緒に起き上がった。

「ごめん、今更こんなこと言って。でもあたし思ったの。
 あの時鷹男はあたしのこと全然責めなかったし、問いただそうともしなかった。
 だから・・・・だから駄目なんだと思うの。」

「瑠璃・・・・・」

「あの日のこと全部話す。話すから・・・・・」

「――――そんなことしたら、俺はお前のこと無茶苦茶にするかもしれないぞ?」

ぞっとするような鷹男の声。

「いいよ。どんな酷いことをされてもいい。
 いっぱい怒って、罵って、そして・・・・それであたしのことを許してくれるのなら、その時こそあたし達元に戻れるんだと思う。」

そう、鷹男だけじゃない。こだわっているのはあたしも一緒。
正良さんと浮気まがいのことをしておいて、結局鷹男に責められることもなく、妊娠していることが発覚して・・・
幸せになればなるほど、あの日のことが重く心に圧し掛かる。

「許せなかったら?」

「え?」

「俺が全てを聞いて、お前のことを許せなかったら・・・・・どうするんだ?」

考えてもいなかった。
鷹男があたしを許してくれないかもしれないなんて。

「その時は・・・・・許してくれるまで待つよ。」

「はぁ・・・・」

鷹男が深い溜息を吐いた。

「瑠璃の性格はわかっていたつもりだけど・・・・今更まさかそうくるとはな。
 こんなことならあの時全部はっきりさせておくんだった。
 お前だって辛いだろう?過去のことを・・・再び掘り返すなんて。
 それに、俺だって薬を飲まされていたとは言え、似たようなことをしていたんだ。
 お互い様なんだから・・・・・って訳にはいかないのか?」

「駄目。だってこのままじゃあ、いつか鷹男がパンクするもん。」

「しないよ、そんなこと。」

「するよ!!じゃあちゃんと言える?あたしと正良さんのこと全然気にしていないって。
 もうそのことを考えることなんて一度もないって言える?」

「―――――っ!!」

思い当たることがあるのか、鷹男が悔しそうに唇を噛んだ。

あたしが家に帰ってから、ずーっと優しかった鷹男。
その陰で、ずっと獰猛な鷹男が身を潜めていたことはわかっていた。

出産して、普通に体を求めあえるようになって・・・
あたしはいつか来るだろう、鷹男の責めるような怒りのような行為を覚悟していた。

だけど・・・・
鷹男は以前の強引なくらいの行為すら鳴りを潜めてしまい、とても優しくあたしに接してくれた。
いつもと変わらず体を重ねているのに、真の鷹男に触れられない気がして・・・辛かった。

「ねぇ、壊れるくらいに・・・抱いて?」

あたしがそう言うと、鷹男がギリっと音を立てて歯噛みするのがわかった。

「瑠璃・・・もうやめろ。」

「あたしなら平気だから。だから鷹男のすきにして?」

大丈夫。
あたし達ならきっと乗り越えられる。

「―――――これ以上、俺を煽るな・・・・」

だってこれまでだって、数々の試練を乗り越えてきたんだから。
だからあたしは、鷹男に全てを話す。
絶対に後悔しない。

鷹男はあたしにとって、永遠に恋人だから。

あたしは鷹男の首に両手を回し、そのままベッドに倒れこんだ。

「酷くしても・・・いいから。」

「っ!!瑠璃っ!!」

「正良さんとのあの夜のことも・・・今から全部話すから。」

「・・・・やめろ・・・・」

「鷹男を怒らせてしまったあの日・・・実は前日に公子さんから電話がかかってきて・・・
 あたしを惑わす為の嘘だってわかっていたのに、あたしはそれを全部信じてしまった。
 "相変わらず鷹男さんったら情熱的で・・・・素敵な夜を過ごさせてもらったわ。"って公子さんは言ったの。
 鷹男と公子さんは昔付き合っていたのだから・・・そういうこともしてきたんだろうって思ったら・・・・
 もうどうにも自分を止められなくて・・・・鷹男を信じられないって酷いことを言ってしまった。」

「・・・・・・・・・る・・・り・・・・」

「鷹男が帰ってしまった後、あたしは自分が嫌で嫌でたまらなくて。
 公子さんと鷹男のことばかり考えてしまう自分がものすごい嫌で。
 慰めてくれる正良さんに―――――縋ったの。」

鷹男が辛そうに目を閉じた。

「正良さんの顔が近づいてきても、あたしはそらそうとせずに、目を閉じた。
 正良さんにキスして欲しいって思ったの。
 そして・・・・・あたしから強請るように正良さんの首に手を回した・・・・」

「――――もう、やめろ、瑠璃っ!!」

鷹男が怒ったように叫び、そのままあたし噛みつくようにキスをしてきた。
そのまま静かに目を閉じると・・・あたしの脳裏に正良さんが何度も何度もあたしに言った言葉が蘇ってきた。

"瑠璃さん、男と女ではモノの考え方が違うんだ。あの日のことを話せば・・・兄さんが辛いだけだ。"

怒っているというよりは、辛そうに見える鷹男。
もしかして、こんなことを話して楽になれるのは・・・・あたしだけ?

鷹男を楽にしてあげたいなんて・・・・
所詮あたしのエゴなんだろうか?

苦しいくらいに繰り返されるキスの蔭で・・・・
あたしは少し迷い始めていた。



**********



やめろ!やめろ!やめろ!!!と心の中で叫んでいた。

確かに俺は今でも時々瑠璃と正良が絡んでいる悪夢を見る。
三年も経った今でもその悪夢から解放されることはない。

実際、瑠璃に少しは遠慮してきたかもしれない。
感情をぶつける間もなく、瑠璃の妊娠が発覚して。
とにかく瑠璃とお腹の子に気を遣ってきた。

子供が生まれたら生まれたで、やっと手に入れたその生活を手放すのが怖くて。
時折瑠璃を無茶苦茶に責めたてたくなる獰猛な雄の自分を抑えるのに苦労していた。
そんな歪みが、悪夢を生み出していたのかもしれない。

それでもいいと思った。
悪夢くらい、俺がほんのひと時我慢すれば良いことだ、

俺には今の瑠璃と愛華との生活が何よりも大切だった。

なのに!なのに何故今更!?
何故瑠璃は今更あの日の詳細を俺に話そうとするんだ?

「正良さんの顔が近づいてきても、あたしはそらそうとせずに、目を閉じた。
 正良さんにキスして欲しいって思ったの。
 そして・・・・・あたしから強請るように正良さんの首に手を回した・・・・」

想像したくもない現実を突きつけられて、思わず大声でどなった。

「――――もう、やめろ、瑠璃っ!!」

これ以上何も聞きたくなくて、噛みつくように瑠璃の唇を己のそれで塞いだ。
瑠璃が苦しそうに顔を歪め、首を振るが、開放してやる気はなかった。

唇を解放しないまま、乱暴にバスローブを剥ぎ取った。
瑠璃は勿論抵抗することもなく、更にきつく俺の首に手を絡めた。

「でね、正良さんが体中に・・・・キスをくれたの。」

息をするために唇を外すと、聞きたくもない言葉が返ってくる。

「その時ね、あの痕をつけられたの・・・それで・・・」

「やめろ、もういいっ!!」

再び瑠璃の唇を塞ごうとすると、おもいきり顔を横に反らされた。

「最後まで聞いてっ!!でね、それで・・・・おしまい。
 あたしが泣いちゃったから、そこで止めてくれたの。」

一瞬腕が緩む。
瑠璃が大きな瞳に涙をいっぱいにして俺を見上げる。

本当に?
本当にそれだけ?

「でもそれだけだって・・・鷹男を裏切ったことに変わりはない。
 だって、正良さんが止めてくれなかったら・・・あたしは抵抗することも出来なかったから・・・」

瑠璃の瞳からポロリと大きな粒が溢れ出た。
その瞳が、その時瑠璃は確実に正良を欲していたと言っているようでたまらなかった。

俺はぎゅっと目を瞑ると、結局そのまま瑠璃の唇を塞いだ。

そして、大きく開かれた下肢に手を伸ばし、わずかに濡れているのを確認すると・・・
ほとんど愛撫も施さずに、そのまま瑠璃の中に押し入った。

「―――――んっ!!!」

わずかに呻く声も、唇で飲み込んだ。
瑠璃が何も言えないように唇を解放する気なんてさらさらなかった。

そして俺の頭の中は真っ白になった。






俺の頭が覚醒したのは、それから随分経ってからのことだった。
汗だくになったまましっかりと瑠璃を抱き締めていた。

「―――――ごめん、瑠璃。」